リベラル懇話会とは

 リベラル懇話会は、人文社会科学系の研究者有志により、現在の与党に対して危機感や不安を覚える市民にとっての有効な「受け皿」となりうるリベラル政党、健全な議会制民主主義が貫徹されるうえで与党に対する明確な対抗軸を提示しうる野党のあり方を原理的・政策的に考察し、実行可能性も重視した政治・政策パッケージを検討する研究会として、2015年11月に結成された政策懇談会です。

 本会は、経済学、政治学、法学、社会学、倫理学、教育学、ジェンダー研究、歴史学、地域研究、社会政策学などの研究者、法曹、医師など計38名(及び委員外参加6名)により構成され、「厚みのある社会」の理念を明示化する「総論」を最大公約数として、「経済」「労働・雇用・少子化」「ジェンダー・セクシュアリティ」「教育」「歴史認識」「福祉・障がい」「社会的排除/包摂」「国際関係」などの分科会にて「可能なるリベラル」のための総合的政策パッケージを検討しています。

 その活動の一貫として、野党第一党である民主党(当時)の議員と、合計4回にわたる勉強会を開催し、2016年2月26日に岡田克也代表に、各分科会の意見書を提出いたしました。もとより短期間でのとりまとめということもあり、分科会内・間の相互の議論は継続中ですが、ある程度のまとまりを示したものとして、 会の中間報告として一部修正を施した「意見書」を公開いたします(したがって、現時点では、文責は各分科会の章ごとに明記された者が持つことになります)。

 本会は、会として特定政党を支持するものではありませんが、現政権の政策への危機感から私たちなりの政策ビジョンを対抗政策としてまとめました。そして参議院選に向けて、研究者としての責任を果たすべく、 2月に提出した意見書を公開することとしました。

 本会では、既述のように、包括的な政策パッケージ作成を目指しておりますが、意見書においてすべての争点・論点を扱えたわけではありません。たとえば、参院選において重要な争点となっている憲法問題について、意見書での自民党改憲案への言及は多いとはいえません。しかし、このことは本会が自民党改憲案に賛同することを意味してはいません。現在の自民党案の全体的構想について強い懸念を抱いております。

 本会の目指す「政策パッケージ作り」はいまだ道半ばであり、今後も「与党に対抗しうるリベラル政党」のありうべきあり方について、学問的な知見とデータをベースとしつつ、議論を深めてまいりたいと考えております。

リベラル懇話会